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年始のあいさつ

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 年始からずっと更新せず、結局1月はまったく更新なしという状況。恐っ。

 といっても、サボってたんじゃなくて、関係ありそうな本を読み漁ってました。関連する本を読み漁るだけで、時間はあっという間に過ぎていきます。

 大塚英志の民俗学(神話の構造分析)から、構造主義、ポストモダンの問題系、波状言論『美少女ゲームの臨界点』のエロゲ批評、ファウスト系の文学批評。関連性の有無という絞りを入れても、これだけの数を並べてその1つ1つ(作者1人1人)を自分の中で再構築する作業は、正直しんどいですね。


「なにが楽しくて、おっさん連中のトラウマを引き受けなくちゃならんのだっ。」

という不毛な気分になれること請け合いです。自分の立場を掘り下げて覚悟を決めておくための思想戦の練習・シャドウボクシング、そう思えば全くの無駄ではないのですが。
  

 とりわけ、大塚のオタク批評と基本的立場をおなじくする波状言論の批評は、どれもフェミニズム的な空疎な視点に偏りすぎていて、読むに耐えないものでした。理想としては具体性に欠け、幻想としてはロマンのかけらもありません。

 大きな物語(≒社会進化論)が現実的に機能したとするならば、
 それが機能したのはマクロな政治の場面であったはずです。

 しかし、大きな物語の喪失にいま切実に怯えているのは、
 幻想で生計をたてている作家やメディア関係者、
 思想(≒信仰)にのめり込んだ一部のインテリなど、
 現実政治を批判するために幻想に関わる人達だけ、という感覚がわたしにはあります。

 理念と現実との役割分担とか、虚構と社会との役割分担とか、
 幻想を再構築しようというビジョンが持てないうちは、
 批評なんてやらない方がきっと幸せになれます。
 体系の構築を捨てて相対主義に甘えてるようでは、
 モダンの覚悟と倫理に負ける一方だと思いますけどね。


 最後に、面白かった本の紹介。

石川忠司『現代小説へのレッスン』
 村上龍と村上春樹、J-ブンガクなど、どれもわたしには馴染めなかったのだが、この本を読んで「その共感できなさ」の根拠がよく判った。石川の問題もわりと平易に伝わる。
 大塚英志が江藤淳の批評のなかで「村上春樹には内面がない。けれどマッチョへのナイーブな感度はある」と矛盾した評価をしていたことにも納得がいった。

高田明典『世界をよくする現代思想入門』
 ポストモダン全体の地図として、大変に助けになった。果てしない神学議論に入るには、こうした地図が必要だと思う。
 関心の高い少数のマニア(=専門家)と、関心の薄いその他大勢への言葉。具体的な個人に向けられる言葉と抽象的な集団への言葉。そうした使い分けは本来は当然必要なもので、ポストモダンが"実践"を標榜するなら尚更である。その点で基本姿勢を見失わない著者には好感が持てる。

(2月13日 書き忘れを追記)
 カテゴリーに、ネタバレ感想『Fate/stay night』を追加しました。
 まとめ読みしたい方は使ってみて下さい。

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牡牛

  • Author:牡牛
  • 物語る技術(コンセプト、シナリオ、構造、演出、表現ほか)について、分析・提案するブログ。
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