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Fate構造概観

一足飛びに全体結論を書くのは悪だと思うのですが、わたしでは時間の速さに追いつけないので。
まちばりあかね☆さんの掲示板のために、フライングして載せておきます。


『Fate/stay night』は、多重的な姿をしています。
マクロで言えば
 日本、戦争、理想、英雄、善、物語、言語、作家、オタク、セカイ系、エロゲ
ミクロで言えば
 罪悪感、主人公、ゲーム、マルチエンディング、プレイヤーの参加、選択肢、エロシーン

これらのサブテーマ・視点の意義すべてに言及しようとする(=解釈できる)構造です。(hollowプレイ後わたしは、新たに「男」および「ヒロイン」「男キャラ」が掘り起こされました)


「生まれること = I am born」がもっぱら受身形でなされるように、「新しさ」は、過去形でしか語れないのです。
新しいものを知った後で、過去を振り返っての「知る以前の過去/知る以後の過去」の境界上にのみ存在するもの。そのようにしか認識できない矛盾しているようにも見える概念。

現在のわたしたちが思い浮かべる未知は、無数の「かつて新しかった具体例」から抽象化したものであって、どうあっても「具体的でない」ものです。それを現界(具体化)させようと強いれば、それは「未知でないもの」に変わってしまう。否定神学のようですが、未知を求める先には「絶対の未知には到達できない」苦痛が待ち受けています。

それでもその先を求めずにはいられない人たちがいます。
自分がどうなろうと、自分を越えるものを見たい人たちが。
しかし、自分に似た後続に彼が残せるのは、つねに自分以下でしかなく、
そして、その「絶対にはほど遠い未知」さえ後続にとっては理解の及ばない未知であることもしばしばです。

逃げ水よろしく、最前線は先へ先へと移動します。
そんな最前線に挑んで擦り減っていく絶望に抵抗する背中……。


未知は、自己のなかにのみ存在します。
それは他者によって起こされるときを待って、眠り続けている。
そして目覚めたときには、既にその機能を果たして死んでしまう。

絶対悪は、永遠に眠り続ける。
しかし、反英雄アンリマユは、その意義を得て無数に死んでいく。


Fateは、物語という構造自体で完結しているとも言えますし、
プレイヤーの手が加わって作品として完結するとも言えます。
例えるなら、前者は「聖杯」、後者は「万華鏡」でしょうか。
そのいずれもFateだとわたしは思います。

あなたは、Fateにどんな悪を見て、どんな善を見ましたか?
聖杯というスクリーンに投影されたのは、どんな映像でしたか?
あなたは、自分のFateを見つけられましたか?



最後に、幻視を1つ。
Fateがカタチにしてみせたのは
元長柾木とは違う形の「エロゲへのラブレター」だったのではないか、と。

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  • Author:牡牛
  • 物語る技術(コンセプト、シナリオ、構造、演出、表現ほか)について、分析・提案するブログ。
    主な関心領域
     エロゲ(分析・感想)
     TRPG(プレイング技術の提案)
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