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Fateネタバレ感想(5) -セイバールート その3-

しばらくhollowにかまけていましたが、
Fate/stay night本編の感想を再開します。

前回までの流れ
 セカイ系について (1) (2)
 Fateネタバレ感想
  序論 (0) (1) (2)
  セイバールート (3) (4)


 セイバールート詳細解釈、中盤その1。
 中盤は、十日目・ライダー戦から十一日目・バーサーカー戦を経て、十三日目・キャスター襲来の直前までです。序盤で示された士郎とセイバーの立ち位置が、この中盤ではしばしば逆転します。

 九日目の鮮血神殿の発動に十年前の災厄の再現をみた士郎は、ライダー戦での負傷の治癒を待たずに、セイバーの制止をしりぞけて、慎二・ライダーとの決着を優先しようとします。
 ここで対比されるのは六日目、ランサー戦・バーサーカー戦での負傷にもかかわらずアサシンへ強攻したセイバーの姿です。

 ライダーとの宝具対決に勝利するも、魔力の大半を失って衰弱するセイバー。翌十一日目、イリヤにさらわれた士郎を助けるために、セイバーは「戦えない代わりに盾になる」ほか手段がなくてもアインツベルンの城へと向かいます。
 これは三日目のバーサーカー戦、セイバーの盾になった士郎の姿に重なります。(この行動はトゥルーEDフラグの最初の1つであり、アヴァロンの治癒力が発揮される最初の機会になっています)

 バーサーカー戦後の小休止、十二日目におけるセイバーの態度の変化(鍛錬・空腹・風呂)は、七日目・鍛錬初日の士郎の戸惑いとの対比となっています。


 (3)で一度触れましたが、「セイバーが士郎とよく似た存在である」ことを示すのがこれらの対比です。

 ここを読んでいるあなた、プレイしながら「士郎って他人の話を聞かないよな。ガキっぽいし、時にはウザい。素直にセイバーに戦わせれば話が速いのに」と内心でツッコミを入れたことがあるでしょう? そして、その際には「それに比べるとセイバー(または凛)の話には合理性があって冷静だよ」という印象がセットとしてついてまわります。

 しかし、魔力を失ったときのセイバーは「そんな士郎」と同じ行動をとります。「状況に合わせる=能力に見合った方法を採る」という合理で動くのではなく、「正しい方法=最も他人が傷つかない方法」しか採ろうとしないのです。であるために、危険から他人を遠ざけてしまう。他人の助けが必要なほど状況が悪いときに、一人で頑張ってしまうタイプ。そしてそんな方法にもかかわらずどうにか解決しつづけて、英雄の域に達したセイバー。

 宝具など1つもない頃のアルトリア。士郎は、その欠点も含めて、かつてのアルトリアに似ています。それが、英雄的と呼ばれる在り方です。
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Fate構造概観

一足飛びに全体結論を書くのは悪だと思うのですが、わたしでは時間の速さに追いつけないので。
まちばりあかね☆さんの掲示板のために、フライングして載せておきます。


『Fate/stay night』は、多重的な姿をしています。
マクロで言えば
 日本、戦争、理想、英雄、善、物語、言語、作家、オタク、セカイ系、エロゲ
ミクロで言えば
 罪悪感、主人公、ゲーム、マルチエンディング、プレイヤーの参加、選択肢、エロシーン

これらのサブテーマ・視点の意義すべてに言及しようとする(=解釈できる)構造です。(hollowプレイ後わたしは、新たに「男」および「ヒロイン」「男キャラ」が掘り起こされました)


「生まれること = I am born」がもっぱら受身形でなされるように、「新しさ」は、過去形でしか語れないのです。
新しいものを知った後で、過去を振り返っての「知る以前の過去/知る以後の過去」の境界上にのみ存在するもの。そのようにしか認識できない矛盾しているようにも見える概念。

現在のわたしたちが思い浮かべる未知は、無数の「かつて新しかった具体例」から抽象化したものであって、どうあっても「具体的でない」ものです。それを現界(具体化)させようと強いれば、それは「未知でないもの」に変わってしまう。否定神学のようですが、未知を求める先には「絶対の未知には到達できない」苦痛が待ち受けています。

それでもその先を求めずにはいられない人たちがいます。
自分がどうなろうと、自分を越えるものを見たい人たちが。
しかし、自分に似た後続に彼が残せるのは、つねに自分以下でしかなく、
そして、その「絶対にはほど遠い未知」さえ後続にとっては理解の及ばない未知であることもしばしばです。

逃げ水よろしく、最前線は先へ先へと移動します。
そんな最前線に挑んで擦り減っていく絶望に抵抗する背中……。


未知は、自己のなかにのみ存在します。
それは他者によって起こされるときを待って、眠り続けている。
そして目覚めたときには、既にその機能を果たして死んでしまう。

絶対悪は、永遠に眠り続ける。
しかし、反英雄アンリマユは、その意義を得て無数に死んでいく。


Fateは、物語という構造自体で完結しているとも言えますし、
プレイヤーの手が加わって作品として完結するとも言えます。
例えるなら、前者は「聖杯」、後者は「万華鏡」でしょうか。
そのいずれもFateだとわたしは思います。

あなたは、Fateにどんな悪を見て、どんな善を見ましたか?
聖杯というスクリーンに投影されたのは、どんな映像でしたか?
あなたは、自分のFateを見つけられましたか?



最後に、幻視を1つ。
Fateがカタチにしてみせたのは
元長柾木とは違う形の「エロゲへのラブレター」だったのではないか、と。

Fate/hollow ataraxia 簡単な感想

Fate/hollow ataraxia、クリアしちゃいました。
花札だけ出せば我慢できると思って進めてたらシナリオ達成率が7割を越えてしまったので、残りも一気にやってしまいまして。
CGも風雲イリヤ城の1枚を残すだけです。

きちんとした感想は本編の後で書くつもりですが、ざっと。

全体を通して
 ・本編の最大の魅力と目していた構造の妙は、ほとんど見られなかった。
  全体にボリュームも少なめだった気がする。
  (個人的には、同じループ構造を使っていた
   『歌月十夜』と比較する必要を感じている)
 ・日常コメディは、人間側の専売特許だと再確認する。
  サーヴァントでは、やはり屈託を抑えきれない印象が強い。
  その辺りで、ランサーとギルガメッシュの2人が
  メインシナリオのポイントを押さえているのは、必然だと思う。

ライターの問題?
 ・ライダー関係は、違和感があるシーンが多かった。
  風呂場とか、土蔵でイリヤがダイブするところとか。
 ・イリヤの衛宮邸でのはっちゃけも、ちょっと場違いな印象をうけた。
  同じ道場系のノリでも、藤ねえが場所的に線引きしてたのと比べると、
  余計にそういう部分が目立ってしまう。
  悪魔っ子ノリが出来ない(カレンとのキャラかぶり)のであれば
  士郎がらみで攻めるのを避けて、
  セイバーとの擬似母子関係、または桜との魔術師弟関係を
  発展させる方向が良かったのではないかと思う。

気になること。
 ・『天国への階段/レッド・ツェッペリン』
  の詞に触れてる(できたら日本語訳してる)方、どなたかいないかなあ。
  これだけは自力じゃ無理だと思うので。

おまけ。花札のMPメモ。
 イリヤ
  2点、鶴、月、鳳凰(12月のコウ)
  1点、ほととぎす(4月のタネ)、猪、鹿

 セイバー
  3点、鳳凰
  1点、猪、鹿

 アーチャー
  2点、月
  1点、赤反の3枚

 ライダー
  2点、桜に幕、雨

 キャスター 特になし
 小次郎
  3点、柳にツバメ

 ギルガメッシュ
  2点、コウ札全て
  1点、タネ札全て
 ランサー
  1点、菊に盃、青反の3枚

 リーゼリット 特になし
プロフィール

牡牛

  • Author:牡牛
  • 物語る技術(コンセプト、シナリオ、構造、演出、表現ほか)について、分析・提案するブログ。
    主な関心領域
     エロゲ(分析・感想)
     TRPG(プレイング技術の提案)
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